「前に向かって体を伸ばしつつ」   05.09.11
                       使徒言行録 5:17〜42

 「なすべきことはただひとつ。…前のものに全身を向けつつ…
賞を得るために目標を目指してひたすら走ることです。」
 自分がどこに向かって、何のために生きているかを知っている
からこそ語れる言葉です。
 そして、信仰者の歩みは、このように言い切ることのできる
歩みです。私たちは、いつもひとつの目標に向かって、ことを
進めていくのです。
 それでは、どこを目指して進んでいるのでしょうか。
それは、復活です。神の国での永遠の命です。
そこに向かって進んでいくのです。

 ここでは、私たちの人生がマラソンのような走る競技にたとえ
られています。私たちもゴールにある、復活に向かって走って
行くのです。マラソンの途中にも色々な出来事があります。
水分補給をした時や、周囲の声援を受けている時などは、
うれしいに違いありません。しかし、どんなにうれしくても、
それはゴールの喜びに比べることはできません。
信仰者の生活も同じです。苦しいときもあれば、元気の出る時も
あります。しかし、これまで味わった恵みの数々も、復活の命の
喜びとは比べものにはならないのです。私たちがゴールに到達
できるようにと、神さまが与えてくださった恵みにすぎません。

 毎週の礼拝は、自分のゴールに復活の命があることを確認
するときです。イエスさまが復活された日曜日に礼拝をします。
 礼拝堂の中央に据えられている聖餐卓は、神の国での食卓に
着くことを思い起こすためのものでもあるのです。

 目標に進む私たちの歩みは孤独の中で進められるのでは
ありません。神さまは、教会を用意してくださいました。
 兄弟姉妹が励ましあい、祈りあい、共に進んで行くためにです。
 自分がイエスさまに捕らえられていることを見失う必要は
ありません。そのイエスさまに励まされ、支えられて歩むのです。

 敬老の日です。高齢者の方も、私たちも、復活の命という
楽しみに向かってなお進んでいくのです。